名所・旧跡@東京のチベット? 秘境!!『弁天洞窟』


 弁天洞窟は京王よみうりランド駅からランド通りに出て、よみうりランド方面に行く坂の途中左側にある威光寺内にあります。
 真言宗豊山派の威光寺は1600年前後の創建と考えられ、草香山小沢院と号すそうで、本堂は明治3年に再建されたものだそうです。


 坂浜にある高勝寺の末寺で、延宝3年(1675年)に穴澤天神社の別当寺となっていましたが、明治4年の神仏分離に伴い、当寺境内に新たに弁天洞窟を設けて、石仏を穴澤天神社より移設したそうです。この弁天洞窟は新東京百景の一つとなっています。
 洞窟は横穴式の古墳をもとに掘り広げられたもので、入口付近は1500年以上前の状態で残されているといい、洞窟内には23体の石仏や金洗いの井戸、三日月の池、大蛇の彫刻などがあります。
 受付で拝観料、金300円也を支払いますとこのような3点セットを渡されます。
マッチは頂けますが、ロウソク立ては帰りに返していくよう言われます。
この時、『高っ!』っと心の中で叫んでいる自分に気がつきます。
がっ、あくまで拝観料ですから、お布施込みの金額だと納得致しましょう。

 入口には下のような案内看板が掛かっていますが、字が消えかかっていて良く読めない部分があります。

  
 それでは、左の案内図、数字順に回ってみる事に致しましょう。

 洞窟入口からまっすぐ10m位進むとつきあたりにへこんだ部分があり、宇賀神と書かれています。
これは壁に彫られた物なのでしょうが、風化してしまったのか何だかよくわかりません。2,3本のスジが見えるだけです。

 案内図に従って左回りのルートをとりますと、ここに弘法大師が居られます。これも壁に彫られた物ですが、あまりよくわかりません。
 三日月の池のある穴に入るトンネルの入り口両側に、十五撞子が整然と並べられています。

 この後そのままトンネルに入ってしまいそうですが、ここで必ず後ろの壁を見て下さい。ローソク1本だけで歩いている場合ここを見落としてしまう可能性が高いのですが、そのままトンネルに入ってしまうと、もうここを見ることはできないでしょう。
 後ろの壁には階段が彫られています。上がっていくと中二階のようになっていて、中がくり抜かれた空洞になっています。そして正面の壁に大黒様が居られます。

ここは絶対見逃してはいけません。中に入るとかなり感動致します。

 次にトンネルを抜けて三日月の池のある空洞部分に入ります。ここはかなり広く、天井も高くゆったりしています。
ここでは、ゆっくりと右後ろを振り返りましょう。
 大蛇の頭が・・・「うぉ、出た!」「でかい!!」ドキッとする事請け合います。
そして反対側の壁を見ると・・・下のように壁を突き抜けて大蛇がのたうっています。


 三日月の池を渡ると目の前に3体の石仏が。右から毘沙門天、弁財天、文珠菩薩という事ですが、弁財天は石の祠があるだけで、中には何もありません。
 元々この洞窟を掘ったきっかけは、ある里人が大蛇が弁財天と化すのを夢で見たことだそうですので、只今、弁天様は大蛇に化身中という事なんでしょうか?


 ここには龍神が、そしてその更に奥  洞窟の最奥部に両部大日如来が。初め2つで1体と数えるのかと思いましたが、全部の数を数えてみると、これは2体という事で良いみたいですね。

 そしてこの場所まで来ると、もう1匹の巨大な蛇が迎えてくれます。

 こちらの蛇は最初のに比べると、あまり不気味とは感じません。ちょっとシュールと申しましょうか、ちょっとポップアート的なノリが感じられます。
10 蛇の尻尾が岩の中に入っている所の隣には、金洗いの井戸があり、そのすぐ隣に文珠菩薩弘法大師が並んでいます。
この2体、案内板の表示とは反対になっているようです。

 後は道なりに歩くと出口の光が見え始め、そして最初の宇賀神にたどり着きます。

 こうやって1周してきましたが、最初に思うのは「入って良かったぁ〜!!」ですねぇ。
イヤ〜もう大満足。拝観料300円にケチつけたことなんて忘れています。

 それにしてもよく出来ています。なんでも算術の先生だった人が設計したと、何かで読んだ覚えがあるんですが、色んな測定器もない、機械もない明治4年頃にこれを造ったなんてとても驚きであり、そして感動します。

 お近くの方はもちろん、よみうりランドに遊びに来た方も帰りには是非お立寄り下さい。
地元の人でも入ったことない人多いんじゃないんですかぁ?  一見の価値ありですよう!

入る時の注意点として!!
 中はほんとに真っ暗です。細いローソク1本の光では、風情はあるのですがよく見えませんし、見逃してしまう物も出て来るかも知れません。あまり光量の多くない懐中電灯を持参した方が良いと思います。ただし、あまり明るすぎるとシラケテしまうでしょう。
 中で写真を撮るつもりでしたら、単焦点のカメラのほうが良いでしょう。オートフォーカス1眼レフなどですと中々ピントが合わず、シャッターが下りにくいかもしれません。
 入口にある案内図に書かれている仏像の配置をよく覚えておくほうが良いでしょう。
 出来れば事前にある程度の知識(仏教や、仏像の事等)を仕入れてから訪れたほうがより楽しめるのではないでしょうか。

 尚、足元は意外なほど平坦で、躓くような凸凹は一部を除きありません。またぬかるんでいるようなこともなくとても快適です。
私の後、ベビーカーを押した夫婦が訪れたのですが、普通に見学していました。(あっ! 拝観か)


現在の状況

2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災の後、崩落の危険性があるとのことで洞窟内は立ち入り禁止になっているそうです。

と言う訳で、以前撮りました動画をご覧下さい。

動画が見られない場合は こちらをどうぞ 

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